なぜ?ジャンボ宝くじの売上がどんどん減っている理由

なぜ?ジャンボ宝くじの売上がどんどん減っている理由

総務省の集計(2018.8月)によると、平成29年度の宝くじの売上額は前年比6.9%減となり、20年ぶりに8,000億円を下回る7,866億円となった。中でもジャンボ宝くじの売り上げは13.1%減となっており、前後賞合わせた一等賞金が10億円で話題となった年末ジャンボも12.6%減少している。

総務省は、購入層の中高年が年金受給者になることが要因だと推察しているが、そもそも宝くじを購入することは割に合わない行為ではないのだろうか?確かに毎年高額当選をして多額のお金を手にする人がいる。

しかし購入者全体のパイからすると、ほんの一握りの人しか当選しない。元本割れをする投資商品を購入することに躊躇する人が、元本割れの確率が圧倒的に高い宝くじに夢を託すのも滑稽な話しだ。

実は宝くじは他のギャンブルと比較すると、還元率が低い。当選発表の時にワクワクしながら結果を見る楽しみに購入することや、話しのネタとして購入するのは良いかも知れないが、お金を得る目的だけで購入するのは割に合わないだろう。

ほかのギャンブルとの還元率を比較!

宝くじの還元率を、他のギャンブルの還元率と比較してみよう。宝くじの還元率は45.7%だ。簡単に言うと、全購入金額のうち、45.7%分が払い戻しされているということだ。

宝くじと比較して、若干還元率が高いのがサッカーくじだ。いわゆるtotoのことで、サッカーくじの還元率は49.6%である。

公営ギャンブルとして人気の競馬はというと、74.1%となっており、宝くじよりもはるかに還元率が高い。競馬を経験した人であればお分かり頂けるかと思うが、競馬でプラス収支になることは結構難しい。宝くじはそれよりも遥かにプラス収支となることが困難なのだ。

そのほか、オートレースが74.8%、競輪が75.0%、競艇が74.8%、オンラインカジノが97%、パチンコが約85%となっている。

つまり宝くじは、パチンコの約半分程度の回収率となっている。しかも、宝くじの場合高額当選者に対して大きな比率で還元しているため、まんべんなく還元しているパチンコなどよりも高額当選の確率は低いとも言える。

高額当選者のその後

宝くじを購入している人にとって、高額当選は夢のような出来事だが、実際に高額当選という形で夢を実現させた人は、どのような境遇となるのだろうか?インターネット上の口コミ情報などをリサーチし、高額当選者のその後を追いかけてみた。

仕事を続ける人が多い

宝くじに高額当選をすると、一生遊んで暮らそうと思う人は多いだろう。嫌な仕事をさっさと退職して、自由な生活を満喫したくなるというのは、多くの人が望んでいることかも知れない。しかし、宝くじに高額当選した人は、案外仕事を辞めず、そのまま働いていることが多いようだ。

もちろん、きっちりとした統計データがあるわけではないので、明言することはできないが、会社を辞めた人は0.4%程度だとう情報もある。

数字の信憑性はともかくとして、仕事を続ける人が多い理由は、銀行から注意喚起が行われるからだろう。宝くじの当選金を受け取る際には、銀行からガイドラインが渡される。高額当選によって人生の歯車が狂い不幸になっていくことを防止するために、当選後の心得が記載されているガイドラインが渡されているのだ。

その中には、仕事を辞めないように注意書きがされているため、そのまま仕事を続ける人が多いのだろう。莫大な資産を手に入れ心にゆとりを持って働くというのは、一体どんな気持ちなのだろうか?

周囲の人からの連絡が増える

高額当選者のその後としてよく言われていることが、周囲の人から連絡が増える話だ。今まで疎遠だった親類から頻繁に連絡が入るようになったり、それほど仲良くなかったはずの友達から連絡がくることもある。

場合によっては知らない人が親類だと言ってくるケースもあるため、お金の匂いを出さないように気をつけなければならない。高額当選をした場合には、誰にも知られないように気を付けるということもガイドラインに書かれている。

泥棒などの被害リスク

泥棒や詐欺被害にあうというリスクも考えられる。つい誰かに宝くじ当選の事実を伝えてしまった場合などは、その噂が広がることもある。そして泥棒や詐欺者に目をつけられる恐れもあるため、住まいのセキュリティーを強化しておいた方が無難だろう。知人などから出資話を持ちかけられた時などにも警戒する必要がある。

宝くじの当選確率は雷に打たれる確率と同じ!?

宝くじの当選確率がどれくらいかご存知だろうか?まずは以下の表を確認していただきたい。

宝くじの当選確率

当選金額 確率
1等 5億円 1,000万分の1
1等の前後賞 1億円 500万分の1
1等の組違い 10万円 10万分の1
2等 2,000万円 500万分の1
3等 100万円 10万分の1
4等 5万円 1万分の1
5等 3,000円 100分の1
6等 300円 10分の1

公式サイトで発表されているユニット数などから計算すると当選確率は誰でも計算が可能だ。宝くじの1等に当選する確率は1,000万分の1だ。とはいえ、数字だけ見ても、当選難易度の実感が湧かないだろう。そこで、宝くじ以外の確率と比較してみよう。

まずガリガリ君の当たり棒を引く確率は25分の1程度であるため、6頭の当選は、ガリガリ君よりも当選確率が高い。もっとも、宝くじは連番で購入すると10枚中1枚が当たるため、6頭の当選は簡単だ。

交通事故死する確率は、約2万分の1程度であるため、宝くじで100万円当たることは交通事故死の5倍難しいことが分かる。また、毎日飛行機に乗っていると仮定して、飛行機事故に遭う確率が20万分の1であるため、飛行機事故の25倍が1億円のラインだ。

最後に、雷にうたれる確率が1,000万分の1であり、宝くじの1等当選と同じ確率となる。実は宝くじで高額当選するということはこれほど難しいのだ。

もちろん、だからといって宝くじを買うなということではない。不振の売上に貢献するよりも、できれば還元される側になりたいものだが、 買うにしても、余裕資金で楽しみながら購入しなければ割に合わないという話である。

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