モンスター・インフルエンサーが増殖中で企業にとってはマイナス効果!?

モンスター・インフルエンサーが増殖中で企業にとってはマイナス効果!?

日記感覚に写真をアップできるインスタグラムは、今では有効な広告メディアとして、企業経営にも大きな影響力を持つようになりましたよね。
インスタ映えする写真を投稿するのは、今では常識となっていますが、ストーリー機能を使った動画投稿の人気が高くなっており、フォトジェニックならぬ、ムービージェニックな動画投稿を求める人が多くなっています。

そんな「映え動画」を求める人を意識したメニューや商品を、企業はどんどん打ち出しています。
しかし、インスタでの拡散=良い広告となるとされていますが、本当にそうなのでしょうか?

写真映えから動画映えに流れが変わってきた今、ムービージェニックな画を求めるインスタグラマーの迷惑行為が加速しています。
そしてこの悪質インスタグラマーによる映え動画は、回り回って、企業のマイナスイメージへとつながる可能性があるのです。

モンスター・インフルエンサーが増殖中

インフルエンサーという発信力の強いユーザーが神格化され、一般人が企業の広告塔としてもてはやされています。
フォロワー数も多く、投稿した記事が多くの人に拡散されるインフルエンサーは、企業にとっては、無料の広告塔です。
ネット上では多くの支持を得ているインフルエンサーも、外に出ればただの人。
そのはずが、インフルエンサーである自分をそのまま外に持ち出す人が、多いこと多いこと。

インフルエンサーに翻弄されるサービス業界

私がこれまで見てきた中で、悪質なインフルエンサーの出没率が高いのは、
1位. 飲食店
2位. アパレル関係の店(洋服・靴・アクセサリーなど)
3位. 高級ホテル(老舗、外資系)
です。

顔パスでの無銭飲食はあたりまえ

行列の絶えないスイーツ店や、日本初上陸のカフェやブーランジェリーに行くと、かなりの確率でそういったインフルエンサーらしき人を見かけます。
彼ら/彼女らは、自分がインフルエンサーであることは、すでに誰もが知っているという前提でやってきます。
そして、他の客には目もくれず、「映える」動画を撮りまくるインフルエンサー(自称)。もちろん食レポ付きです。

もちろん、飲食代はタダ
彼ら/彼女らに言わせてみれば、「だってこっちは無料で宣伝してあげてるんだから。」とのこと。
お会計を催促しようものなら、それすらも拡散すると脅す始末なのです。

モデル気分で試着し倒す

インスタでの人気カテゴリーとして、食に並ぶのがファッション。
旬なファッション情報をアップさせるために、フォロワー世代に人気のアパレルショップでは、よく動画撮影会が勝手に開催されています。
彼ら/彼女らはとにかく試着しまくり、連れが360度から撮りまくります。
その様子はあたかもファッション雑誌の撮影のよう…ですが、もちろん購入はせず、満足のいった映え動画を手に、嵐は去っていくのです。
店員は、ただただ唖然とするばかり。

セレブ気分でおおはしゃぎ

芸能人や海外セレブのバカンス写真や動画は、インスタでも高い人気を誇ります。
そんなセレブ風映え動画を求める人たちが、今年の夏もホテルにはたくさん出没していました。

ホテルでの撮影会は、館内のレストランやカフェはもちろん、ロビーなどの共有スペース、プールなど広範囲に渡ります。
特に夏場は、ナイトプールとして宿泊客以外に開放している、高級ホテルのプールは格好の撮影場所です。
旅番組のレポーターさながら、ハイテンションで動画を撮影する様子には、日本人だけでなく、海外からの宿泊客も怪訝な顔をして通り過ぎていました。

企業は無料広告塔の暴走に加担すべきではない

動画は写真に比べ、臨場感をよりリアルに伝えることができるため、うまく使用することで商品やサービスの利点をより効果的に伝えることができます。
しかし、自社の商品が無銭飲食の上、投稿されたものだったらどうでしょうか?
無銭飲食とまではいかなくとも、店内でぎゃあぎゃあ騒ぎながら食レポされていたものだったら?
撮影の様子を見ていた人は、良い印象は受けませんよね。
いくらインスタ上で拡散されても、実際にその店舗に足を運んだ人たちは、離れていってしまいます。

ターゲットが食い違えば、企業にとっては大きなマイナスに。

様々なサービスや商品に対しては、それを消費してもらいたいターゲット層があります。
狙ったターゲット層にヒットしなければ、その商品の販売戦略は正しくなかったと言えますよね。
そもそも、新たな商品やサービスを開発する際に、その新商品がどういったイメージを持たれるか、そしてそのイメージを持った商品を売る、企業へのイメージはどのようなものとなるかを考えることは、マーケティングとして大前提です。
狙いを定めた通りの顧客を獲得できることは、企業が望むイメージ戦略へと帰依するのですから。

棚ぼた的に、範疇外の層から人気が出てプラス効果となることもありますが、先のモンスター・インフルエンサーが出没する飲食店やホテルではそのような「意外な効果」は、期待できないことの方が多いでしょう。

なにかのきっかけで、食レポインスタグラマーが相次いで来店した、某有名レストランの顧客は、「ああいう客層のいる店はちょっとね…」と足が遠のいてしまいました。
その方は、会社の接待や家族との食事など、様々な機会にそのレストランを使ってきた上顧客でした。
その食レポ動画にはたくさん「いいね」がついたかもしれません、しかし、レストラン経営側として、これは有益な無料広告となったのでしょうか?

まとめ

インスタグラムをはじめとするSNSは、世界中に発信可能な非常に強力なメディアになりました。
コミュニケーションツールとしては非常に便利でしょうが、企業のブランディングに使用する際には非常に慎重になる必要があります。
ムービージェニック・ムーブメントは、世界でも加速しています。
2018年6月にインスタグラムは、これまで1分程度の動画しか投稿できなかったストーリー機能に、新たに最大60分までの動画投稿を可能にするサービスをスタートさせることを発表しました。
YouTubeに対抗したものとされ、今後動画配信によるネット広告、およびその関連業界の市場拡大はさらに過熱していくことが予想されます。

そのため、拡散能力の高いメディアをうまくハンドリングし、企業にとって有益なブランディング効果を生み出すことが、すべての業界の企業戦略において、今後一層注力すべき課題となってくるでしょう。

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